2021年3月25日木曜日

アクアス (8年半ぶり、2度目)

 春休みに入った子どもと、僕の休日が合致したので、浜田市にある水族館、アクアスへと赴いた。行ったのは2度目。前回は第1次島根移住が開始して間もない、2012年8月のこと。なので往時ポルガは1歳7ヶ月。ピイガはまだ存在していない。その当時は香川県に住んでいた三女(なんだかんだで誰にもいろいろな変遷があるものだ)が、夏季休暇で実家に戻ってきたタイミングで、三女は動物好きということもあり、一緒に行っていた。片道2時間弱かかるため、交代できるドライバーがいたら安心だということもあり、行くことにしたらしい。それでいうなら今回は交代要員はいなかったわけだが、東京から移住してきてまだ1ヶ月ほどの者と、それから8年半後の、島根と岡山でさんざん車に乗り倒している者とでは、片道2時間弱に対する印象がぜんぜん違うのだった。片道2時間弱は、レジャーのまあいい感じの距離であると思う。
 アクアスはやっぱり規模が大きく、見ごたえがあった。
 ブログには書かなかったが、先月末あたりにゴビウスにも行っていた。あれはあれでおもしろかったが、やっぱりまあ、入場料500円と1500円とでは違うな、という満足感があった。ゴビウスでは、8年前にはたしかにいたはずのエイが水槽にいなくなってしまっていて、「エイの裏側を見るとめっちゃ爆笑する」でおなじみのファルマンが肩透かしを喰らったのだけど、そこでもったいぶられたこともあり、今日のアクアスでは存分にエイの裏側を堪能することができた。しかもでかい。アクアスのエイ、めっちゃでかい。でかいエイは、面積が大きいのはもちろんのこと、裾野が広いと山は高いということなのか、厚みもすごいことになるということを知った。
 アクアスといえばショーということで、ひと通り見て回る。アザラシの紹介ショー、バブルリングで有名なシロイルカのショー、ペンギンのパレード、そしてアシカショー。平日で人が少なかったこともあり、どれもそこまでがんばらなくても、やけに近い位置から見ることができ、とても愉しかった。たぶん人口密度の低さが、生きものたちにも伝わっているのではないかというほど、平日の水族館は牧歌的な空気に包まれていて、生きものたちのかわいさや賢さに、癒されたり感心したり、ほわほわと心地よく時を過した。シロイルカのショーは、この水族館の目玉なのでもちろん素晴らしかったのだけど、あまり期待していなかった、帰る直前にたまたまタイミングが合ったから見ることにしたアシカのショーが、こちらの予想をはるかに上回るクオリティで、感動した。見る前は本当に、「シロイルカとかに較べてアシカって昭和っぽいというか、オワコン感があるなあ」などと嘗めていたのだが、始まってみたらアシカはめちゃくちゃ優秀で、芸達者で、とても優れたエンターテインメントだった。個人的にあのアシカに1000円くらいあげたい、とさえ思った。振り返ってみて、見た順番がよかった。最初にアザラシを見たのは正解だった。歩くだけのペンギンは別として、シロイルカとアシカに較べ、アザラシはそこまで芸が上手ではないようだった。たぶんこれはもう種としての能力の限界なのだろう。最初にそれを見たことで、尻上がりの構成になった。今回はアシカがとにかく発見だった。
 水族館の隣には、アクアスランドと銘打って、かなり大規模なアスレチック公園があった。これのために、アクアスに行く日は春の天気が悪くない日である必要があった。そして今日はその条件を見事に満たしていたのだった。というわけでこれも移住後初となる、大型の公園で遊ぶ、ということを子どもたちにさせてやれた。これも大いによかった。8年半前に来たときの写真を見たら、1歳半のポルガは、歩きもしたが、ベビーカーもまだまだ必要という頃だった。あの頃はアクアスランドの存在なんて、目に入りもしなかった。それが今回は、妹とふたりで放っぽって、両親はベンチで休むなんてことができるようになった。8年半前の自分たちのような、周りのファミリーを眺めながら、「楽になったもんだねえ」などとファルマンとしみじみと語り合った。
 そんな大満足のアクアスだった。いろいろとタイミングに恵まれた、とてもいいレジャーだった。