2020年11月22日日曜日

第12回cozy ripple名言・流行語大賞発表

 今年もcozy rippleにさまざまな名言・流行語が生まれました。
 ここでいう今年とは、2019年11月24日から、本日2020年11月23日までのこと。この1年は、世の中にとっても、僕にとっても、すさまじい年だったなと、振り返ってみてしみじみと感じる。あまりにも激動すぎた。言い訳をするわけではないけれど、その激動を原因として、今年のブログは振るわなかった。その在り方を考えあぐねた挙句、収束が起ったほどである。ちなみに「KUCHIBASHI DIARY」および複数のブログが「USP」に収束したのは、2011年の4月のことであった。放射能禍とコロナ禍。拡散したブログは、わざわいによって収束する性質があるのかもしれない。そんなわけで今年はエントリーワードの数も、残念ながら過去最少となっている。
 なんとなく、その激動は来年もしっかり続きそうな気がしないでもないのだが、それでも今年よりは地に足のついた、安定したブログ運営、すなわち人生運営ができたらいいな、と思う。切に思う。
 というわけで、今年のエントリーワードは以下の通りです。


俺には小さすぎる

 アマゾンでペニストレーニングの器具であったり、ビキニパンツなんかのページを眺めていると、そのレビュー欄には必ずこの言葉があることを発見した。ちんこを規定の空間にきちんと収めるタイプの商品だと、規格外の俺のはどうしたって収まらないのだと、買って、身に着けて、レビューに書いて、満足する、そこまでがワンセットの商品なんだと思う。男のそういうちんこに対する観念って、本当に愛しいと思う。女子が花や小動物を愛でるよりも、よほど清らかではあるまいかと思う。


亀頭とは女性

 包茎に関する書物に、ずる剥けの人間は亀頭が擦れて鈍感になり、快感を得るために乱暴なセックスになってしまいがちで、それを防ぐためには必要なとき以外は包皮を被せておくのがむしろ正しく、そうして亀頭を大事に扱うことで女性にも優しくできるのだ、という記述があり、それを読んで僕がたどり着いた結論。最も男性性を象徴させる部分は、最も女性性と隣接する部分だったという、これは亀頭以外にも人生中で何度も使える場面がありそうな、示唆に富んだ話だと思う。


もむこするうるおすぬらすしめらせる恩徳ほどこすめぐむ睾丸

 なぜ「無辜の民」と「睾丸」には同じ文字が使われているのだろうと疑問に思って調べたら、ふたつの漢字は同じものではなかった。それから「睾丸」の「睾」についてさらに追っていくと、その字義の筆頭は「さわ(澤)」であり、泉のように次々に連なり湧き出る様は、なるほど日々絶え間なく精子を生産する睾丸の性質をうまくいい表している、と感心した。次に「澤」の字義を調べた結果、「「1、さわ。つねに浅く水にひたっている所。草木のしげっている湿地。2、つや。ひかり。3、うるおす。ぬらす。しめらせる。めぐむ。恩徳をほどこす。4、もてあそぶ。5、もむ。こする」とあり、澤と睾丸はどこまでも密接に繋がっていることが判り、感動したので語順を調整して短歌とした。


不入

 セックスは、射精するまでがとにかく愉しいわけで、そこでなるべく射精をすまいとする「不出」という理念があるわけだけど、挿入しておいて射精しないなんて、女の子に対して失礼な話だと思う。挿入した以上は射精するべきだ。でもやっぱりなるべくなら射精はしたくない。だとしたら挿入を諦めるしかない。かくして生まれた理念がこちらである。生身の女の子には挿れられないけど、でも基本的にずっと猛っている。すなわちこれは童貞への回帰であるともいえる。セックスとはセックスをしないことである、あるいは、セックスをしないというセックスをすることである、という究極の考え方。


おっぱいがおっきすぎるのが悩みのタネ……

 Twitterの反応があまりにも乏しくてテンションが上がらず、どうやったら増えるのかと思案した結果、女子高生がやっている風を装えばいいのだと、古式ゆかしきネカマ戦法を思いつき、トップの自己紹介文の欄に打ち込んだ文面。この前に「私立ウサントタッバ学園2年生」とも述べていて、女子高生の、しかもおっぱいがおっきく、さらにはそれがコンプレックスであり、挙句の果てにはそんな少女がもっぱらちんことかをテーマにした短歌を詠むだなんて、最高じゃないかと思った。しかし反応はさして増えず、それだけが理由ではないが急に飽きて、この半年後に投稿が停止した。


繋がらなろうね症候群

 新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言により、とにかく他者とつるむな、ということが声高に叫ばれたが、普段からなるべく他者と関わり合いたくないと思っている側の人間としては、なんの問題もなかった。しかし我々サイドの人間にとってはなんの問題もないその世界は、あちらの人々にとっては地獄にも等しいつらいものだったようで、彼らはそのときどうしたかといえば、「今は会わないでいようね」と互いに呼びかけ合うことで、繋がっていた。そんなテーマでさえやはり繋がりたいのか、と彼らの業の深さに震撼した。


ブログ世代

 新型コロナウイルスで行動が制限された結果として自粛警察が跋扈したり、さらには個人的な仕事のことだったり、今年は「ブログに書けないこと」がとにかく多くて、ブログってなんなんだろうということを強く思った。本当に自由な心の叫びを書きたいならオフラインの場に書けばいいし、時流に乗った立ち振る舞いをして名声を得たいのならSNSに励めばいい。じゃあ、いま、ブログってなんだ。ブログの立ち位置って、拠り所って、どこなんだ。モーレツでもない、デジタルネイティブでもない。カセットテープでもない、データ配信でもない。MD世代とそれはピタリと重なる。この半端さが、我々の旗印なのか。


会社都合退職

 工場の閉鎖が告げられたのが1月の終わり頃だったので、新型コロナウイルスの盛り上がりと退職までのカウントダウンは、ほぼ同時進行で、こうして振り返ってみるとそれは、同時進行どころか、同一の事象だったんじゃないかという気さえしてくる。もっとも負け惜しみをするわけではないが、縫製業に華やかな未来もまるで見えないので、いつか行き詰って自己都合で辞めるより、よほどよかったんじゃないかとも思う。なにしろ、一度この退職を経験したらもう自己都合退職なんてやってらんねえな、というくらいの厚遇だった。世の中が新型コロナウイルスの影響で冷え込む中、スーパーマリオのスターのごとく、無敵みたいな感覚があった。時間切れはもちろんあったのだけど。


そんなこといったってしょうがないじゃないか

 仲間との会合ができないことには一切の問題がないのだけど、帰省がままならないのは、90オーバーの祖母がいる身としては、なんとなく落ち着かない部分があり、とはいえ今年に関してはやっぱりどうしようもなく(結局タイミングを見計らって無事に行って帰ったが)、なんてったって体力の落ちたお年寄りが危ないといわれているのだから、そこに最大限の配慮をしないといけない。そんなとき、言葉の内容的にも、老人たちへの訴求力的にも、世の中で最も適しているのが、えなりかずき(正確にはモノマネタレントのホリ)氏のこのフレーズではないかと思った。新型コロナウイルス関連でいろいろな言葉が編み出されたが、これこそが真髄ではないか。本当に広告とかに採用されればよかったのに、と思う。


ねえダイアナ

 いろいろあった今年も下半期に入り、上半期で負った心の傷を癒す必要があったということなのか、モンゴメリの「赤毛のアン」に猛烈に嵌まった。「赤毛のアン」は、不幸な生い立ちである主人公のアンが、話が始まってからは、とにかくどんどんしあわせになっていく物語で、読んでいると気持ちが晴れた。多種多様の幸福を得ていくアンだが、その中でも最も羨ましいと思ったのは、宿命の友であるダイアナだ。ダイアナはとにかくアンを肯定し、賛美する。それなんだよ、と思った。ずっと僕が欲しいと思っていた友達とは、ダイアナのことだったのだ。だから悩み事や相談事があると、僕は脳内麻薬であるダイアナを呼び出し、こう呼びかける。するといい気持ちになることをいってくれる。いつでもダイアナをキメて生きていきたい。もうダイアナなしでは生きていけない体になってしまった。


 以上です。
 いやあ、今年もさまざまな名言・流行語がcozy rippleを彩りましたね。
 惜しくも最終候補から漏れたものでは、「愛の錬金術師」「全てであり、無である」「もん! もん! 悶々!」「P線上を動く点P」「だから僕等山野辺は、僕等山野辺の死で哀しむことは絶対にない」「プレパラー射」「I AM SOLIPSIST.」「セクシャレハラスメント」「大丈夫だから」「ありがとう、MAX」「ドクゥ!」「世界ふれあい街足コキ」などがありました。今年はいろいろ考えさせられるブログライフの1年でした。
 というわけで、それではお待たせしました。いよいよ今年のcozy ripple名言・流行語大賞を発表したいと思います。去年の雨上がり決死隊・宮迫博之さんに続き、今年のプレゼンターはこの方、長渕剛さんです。
「オーーーーウッ!
アメリカの大統領が誰になろうとも
凶とでるか吉とでるかって
それゃ俺達次第じゃねぇか

今日もマスメディアの誰かが
無責任な話ばかりしている
正義のツラして知ったかぶりしてる奴の
言うことに耳を傾けてる俺

これ以上答えのねぇ話なんか聞きたかねぇ
歌の安売りするのも止めろー!

日本から歌が消えていく
日本から言葉が消えていく

自らの言葉をつむぐ歌い手たちが
群れをなして魂の歌を紡ぐならば

俺たちは歌によって
正しい道を見付けることが出来るのに

「ウ・タ・ヨ ノ・コ・レ」
「ウ・タ・ヨ ノ・コ・レ!」

俺達の東北、仙台、俺達の九州、熊本
そして福島も頑張ってんだ

オリンピックもいいけどよぉ

若者の貧困、地域の過疎化どうする?
騙されねぇぜマスコミ
騙されねぇぜヒットチャートランキング
騙されねぇぜワイドショー

ところで、
けなげな少女の瞳が今日も銃弾に打ち抜かれていく
岸に倒れた名もない兵士は
母の名を叫んで死んだ
アジアの隅に追いやられてきた
しなびきったこの島国で
屈辱の血ヘドを吐きながら今日も俺達は歌う

今年の大賞は……「上野の413球」だぜ! 乾杯!」
 なんと! 信じられなく長い、関係のない前置きのあと告げられたのは、まさかの「上野の413球」! 2009年の第1回からcozy ripple名言・流行語大賞の座に君臨し続け、しかし2017年の第8回で「乳房で胸一杯」に敗れたことによってその時代は完全に終わったかと思われていた「上野の413球」が、まさかの復活で大賞を獲得しました! なんという番狂わせ! 今年、東京オリンピックはなかったというのに! 国民の誰ひとりとして、ソフトボールの試合なんて見なかったのに! なんということでしょう! トランプもびっくり! バイデンもびっくり! しかしアメリカの大統領が誰になろうとも、凶とでるか吉とでるかって、それゃ俺達次第じゃねぇか! ざわついております! ざわついております!
 そんなわけで混沌とした社会情勢に負けず劣らず混沌とした、第12回cozy ripple名言・流行語大賞でした。それではまた来年、お目にかかりましょう。いまから僕だけ愉しみですね。ちなみに早くもpuropediaに今回の結果が更新されております。素早い! 運営優秀!

付録 これまでの大賞発表記事