2020年10月10日土曜日

ポルガの話

 学校の視力検査にポルガが引っ掛かる。これまでの検査で、そう優れた視力ではなかったが、それでもずっと引っ掛からずに来たわけで、なぜ急に、と思った。それで話を聞いてみると、「今回の視力検査では「要検診」の子が大量に出た」そうで、じゃあそれって学校の検査の環境が悪かっただけじゃねえの、という気も大いにしたのだが、それでもいちおう眼科に連れていった。その結果、眼科医の見立て的にも、「まだ別に眼鏡を作らなくてもいいかな……」くらいの、決してよくはないけどそこまで悪すぎるわけでもないよ、という既知の事実のお墨付きが出たのだが、そのあとに医師が「作りたいの?」とポルガに向かって訊ねたら、「作りたい!」と即答したそうで、「じゃあ、まあ、診断書を出しておこうかね」という流れになり、まんまと憧れの眼鏡を手に入れるための外堀を埋めることに成功したのだった。しかし今のところ、斯様に緊急性もないことだし、なにより近ごろのポルガと来たら、忘れ物が多かったり部屋を散らかしたり、生活態度があまりにも悪いこともあり、とてもじゃないが眼鏡を買い与える気が起きないため、購入は保留している。もうしばらく眼鏡で釣って、いろいろ改めさせてやろうと、親としては算段している。うまくいかないんだろうな。生活態度の向上より、視力の本格的な悪化のほうが早いんだろうな。
 そんなポルガは、いま「らんま1/2」にど嵌まりしている。もちろんファルマンの影響によるものである。単行本をブックオフで買って読んだり、図書館にアニメ版のCDがあったので借りてきて聴きまくったりして、どっぷり浸かっている。「ドラえもん」や「セーラームーン」は、前者はバリバリに、後者もそれなりに、2020年現在もその活動が続いているので、まだ言い逃れの余地があったけれど、「らんま1/2」はいよいよ弁明のしようがない。この家の親は、現代の漫画作品から完全に脱落し、自分たちが子供のときに愉しんだものしか、自分の子どもに与えない。「ミニオン」も「鬼滅の刃」も、この家には見えないバリアによって弾かれる。父親のほうなんてとうとう「赤毛のアン」に目覚めたので、その愉しさを子どもに啓蒙したくしてしょうがないほどである。ちなみにポルガはクリスマスに、「「らんま1/2」のなにかをもらう」と言い出している。サンタの眉間のシワが目に浮かぶ。この家は去年、「セーラームーン」のルナのぬいぐるみを欲しがった子の家だな、あのときもメルカリとかで面倒だったんだよな、それでも「セーラームーン」はまだ市場があったのだ、でも「らんま1/2」はいよいよ無理だ、阿呆か! 「鬼滅の刃」グッズを与えたら小学生は喜べ! 阿呆か! と悪態をついていると思う。申し訳ない。申し訳ないというか、その面倒はそのまま自分たちに降りかかる。
 あとついでに今日はポルガの話をするが、先日学校から持って帰った集金袋に、代金の名目は生徒が自分で記載するらしく、「秋の遠足」と書くべきところを、字をものすごく雑に書くことで知られるポルガは、「秒の遠足」と書いていて、笑った。行ったと思ったらすぐに帰ってくる、秒の遠足。ちなみに集金額は1500円。コスパ悪!