2020年10月25日日曜日

続いていますように

 いま勤めている会社は電波状況がやけに悪く、タブレットでウェブページを見ようとしても、表示までにずいぶん時間がかかる。ストレスである。しかしそんなストレスを抱えながら、休憩時間にどんなページを見ようとしているのかといえば、ただのYahooのトップページにある記事だったりするので、見たところで大した意味のないそんなものでストレスを溜めるのなんて、本当にくだらないことだと思う。ところで世の中はいま、5G回線のことで盛り上がっていて、つい先ごろ発売されたiPhone12はそれに対応しているとかで、これでますますいろんなことができるようになる! といって喜んでいる人たちがテレビに映っていたが、Yahooの記事がなかなか表示されないような電波環境はさすがに参るにしても、いったい彼らは、これまでとは桁違いらしい5G回線で、なにをするのだろう。果たしてそんなにおもしろいものがウェブ上にあるだろうか。新型コロナのせいで、世の中の多くのイベントがオンライン開催となっていて、別に僕は生身であってもイベントになんか参加しないけれど、それがオンラインとなると、いよいよなんの価値も見出せなくなるのだが、5Gの到来に喜ぶ人々というのは、たぶんそういうものに参加して、ちゃんと愉しむことができる人たちなんだろうと思う。そこにはやっぱり根幹に、他人と「つながりたい」という欲求があって、僕はそれが欠如している(特にウェブ上においては)から、5Gになんの魅力も感じないんだろうと思う。5GのGは、generationであるわけで、なるほどそれはもう世代としかいいようがないな、と思う。これは実年齢で区切る世代ではない。iPhone12を発売日に購入したことでインタビューに答えていた人は、僕よりも年上のように見えた。でも彼らは次の世代、次の年代に進むし、僕は進まない。もうここで、彼らと僕らは人間としての世代が分かれた。5Gがあるということは、6Gだってあるし、7Gだってあるだろう。彼らはきっとその道をどこまでも突き進む。僕はもういい。Yahooの記事を読むだけなら、電波環境さえ悪くなければ、いまの回線で十分だ。だからもういい。もうずっとここにいる。進みたくない。進む意味が見つからない。僕はウェブ世界のアーミッシュとして生きたい。なるほどブログってアーミッシュだな、という感じがする。百年後の未来にもこの理念が続いていますように。