目覚めれば白い着物を身に纏い着物はたぶん七五三ぶり
三角のあれが視界を塞ぐので持ち上げたらば目の前は川
天国と地獄があれば地獄だと思っていたがまさかあるとは
奪衣婆ふり切り六文銭払い三途の川を渡るクルーズ
振り返り賽の河原に目を遣れば小さな影が石を重ねる
どこまでも聞いてたとおりに展開す死語の世界の既視感たるや
舟を降り人の流れに加われば鬼が誘導する本会場
赤鬼は角が一本青鬼は角が二本の裏切らぬこと
行列の先に見えるはどこまでも絵で見たままの閻魔大王
こんなにもベタなあの世があるものか頬をつねるが起きぬ 死んでる
つづく